透明な嘘も白い影も
儚く消えていくと云うのに












いなくなってしまった人を、追いかける勇気はありません。
ただ私を早く忘れてくれるようにと願うのみ。

知らない国の言葉を、学んでは此処を発つ夢を見る。
それでも、酷くかたく閉じられた鍵は開かないのです。

愛して欲しいと縋っても、この手を振り解かれると知っていた。
何を云っても意味がないこともわかっています。

*

くるくる廻る世界に私の居場所などなく
ただあるのは“そのような”空白のみ
朝がこないことを祈って眠る日々と
静かに解けて逝くこのからだを惜しむ日々に、

*

与えられたすべてを、肯定するほど愚鈍ではありません。

寂しいと叫びたい。

ごめんなさいと、ありがとうと、

すべての後に、透明な嘘を吐いてはあなたの影を指でなぞる。



強くありたい、どうか、生きていけるように、