* SPECIAL *


Halloween

#1

御菓子をくれなきゃ嫌いになるよ
橙の灯がゆらゆらと、
可哀想だと思うなら、そんな眼で見ないで、
綿菓子の雲とビロードの夜空
「御帰りなさい」「さようなら」
すべてを捨てた、白い骨なら美しいのですか

#2

はじめは些細な嘘だった。
バケモノのような私だもの、怖いものなんてないの
あめ玉のような瞳は、まるで、硝子のように無機質なそれは、
密やかに扉を叩くもの。この心を動かすもの。
鐘が鳴る、遠くから夜を連れてくる
痛いくらいに優しいあなた、それは既にこの世のものではありません。