* 50Sounds *


(あいうえお50音順)

甘えてないで、両の足で立ちなさい
意地らしい科白で片付けた
浮気な彼と、意固地なあなた
永遠という言葉の、それはそれは尊いこと
同じくらいの重さの愛でした


肝心なときにどうにもならない僕の性分
きりきり、音がする、眼の奥が疼いて、
梔子(クチナシ)の香りに誘われて
ケチャップで死ねるなら、とっくにそうしているよ
煌々と灯る改札の蛍光灯


最高で最悪で麗しい君の御命令
死がふたりを別つまで、一緒に居るのも辛いのに、
好きだと云った。返事は、なかった。
蝉の声がうるさくて、君に見惚れていたことにする
それから、じゃあ、また今度。


たまにはあっても良い、そんな朝
千鳥格子のスカートの
突きつけた覚悟の、ああ、なんて正直なあなた、
適当に息を吸う、吐いては、また、
蜻蛉(トンボ)の眼鏡は何色か、


波の音が呼んでいる、孵る場所すらない僕を
西日が綺麗で、君の横顔も、死ぬほど、綺麗で
塗り込めた記憶の、壁に染み跡
鼠色の空が、どこまでもどこまでも続く、空が、
ノスタルジック・チルドレン


母にありがとう、父にありがとう、僕にさようなら、
ひとしきり考えて、考えて、涙した君が花のよう
不束者の恋だと笑うなら、
「屁理屈だろう」「理屈じゃないのさ、」
頬の痛みと君の愛情、どちらも僕から消えていく


魔法の言葉で世界をまわす
耳を澄まして、鳴らない鍵盤の音を聴く
難しいことはわからないけれど目指すものはあったのだ
眼の中に入れても痛くない、そんな愛なら良かったのに、
もうじき来る、生からも死からも遠い場所からの迎え火が。


野蛮なひとだからこそああだからこそ、
命がけなんて、そんなに簡単に云って良い言葉じゃあないのだよ
夕暮れの街を駆け抜ける影法師
駅で待っている。たとえ、君が来なくても、ずっと、
よろしければどうぞ、まずはこの唇から御召しになって、


罠だと知って、近づいた。
同じ空の下、同じ空気で呼吸をし、同じ時の流れのなか、 ※を→お
「“ん”は駄目だと云ったじゃない、」「ああ、僕の負けか」